今回は『正しい治療とは何か』というテーマで投稿したいと思います。ちょっと概念的な話になりますが、私が非常に大切にしている考え方なので、是非皆さんにお伝えできればと思っています。
そもそも治療とは?
治療という単語を辞書で引くと「病気やけがをなおすこと。病気や症状を治癒あるいは軽快させるための医療行為」と出てきます。確かにここで言っていることは間違いではないのですが、ちょっと危険な解釈が含まれているので、全面的にこの意味が正しいとは私は思えません。
治療の意味に含まれる危険性
私は危険だなと思うのは、先ほどの辞書の意味の中の「軽快させるため」の部分です。こちらが、要するに「痛みが引けばいい」と解釈できるため、危険だなと申し上げました。痛みが引くことは確かに大切ですし、そのために皆さんは身体的な痛みであれば接骨院・整骨院・整形外科に通われると思います。しかし、治療する側としては、ただ「痛みを引かす」ことだけを考えてはいけないと思うのです。なぜなら、一時的に痛みが引いてもそれが本当に治ったと言えず後遺症や後々痛みが再発するケースがあるからです。
痛みが再発するケース
これは一言で言えば「痛みの原因が解消できていないケース」です。接骨院・整骨院・整形外科に通って、治療してもらってそんなケースがあるの??、と思われるかもしれませんが、意外と身近にそういったケースがあります。
例えば、膝が痛いとしましょう。中学生や高校生は部活動などで身体を酷使するあまり、ひざを痛めるケースが少なくありません。そういった場合、治療法として「サポーターで固定し、軽くマッサージして、温熱治療して、なるべく安静にする」ことは正しい治療でしょうか。私は多くの場合で『NO』だと思っています。なぜなら、こういった使い過ぎによる膝の痛みの根本原因は「患部の炎症ではなく、膝関節の噛み合わせのズレ」であることが多いためです。
確かに、保存療法を施せば一時的に痛みは引くかもしれません、ですが、関節がズレている以上、動かせば痛みを発症しやすい状況であることに変わりはなく、繰り返し痛めることで、余計に膝に負担がかかり、ともすれば半月板や軟骨がどんどん傷ついていってしまいます。そうなると、もう保存療法では痛みが引かなくなってしまい、患部は悪化してますので、ひどい時には手術しないと治らない、なんて場合も少なくありません。
正しく治療するために
上記のような場合に陥らないために医療従事者はレントゲンや触診、ヒアリングなどを綿密に行い、表面的に治療するのではなく根本原因を治してあげなければなりません。膝関節痛の場合、第一に直すべきは関節の噛み合わせです。確かに、膝関節を痛めているにもかかわらず膝関節をいじるわけですから、治療時は痛くなるケースもあります。ですが、後々のことを考えると『ただ安静にするよりもはるかに正しい治療』だと言えます。
もちろん、痛すぎて患者様が耐えられない、、、なんてことがあってはいけないので、そこは状態を見ながら徐々に複数回の通院を通じて治療していくようにします。
まとめ
よく、「雨が降ると痛む」とか「寒くなると痛む」とか聞きますが、これらは本来防げたはずの痛みであることも多くあります。そういったケースを少しでも減らすためにも、医療従事者として意識しなければならないのは、表面的なその場しのぎの対応ではなく、『根本原因を突き止め「症状を治癒」する正しい治療』だと私は思うわけです。
こちらの記事を読んでいただいた皆様も、是非自分の痛みと原因について気にしてみてください。そのことについて少しでもお医者さんに聞いてみてください。皆さんが意識することでも正しい治療を受けれる可能性は上がると思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は「実は知らない、レントゲンとMRIの違い」についてお話しします。
次回の更新は2021/12/13です。
宜しくお願い致します。
ふじと接骨院院長
藤戸慎一郎