今回は、整骨院・接骨院にまつわる雑学『整骨院・接骨院とマッサージ店の違い』について解説していきます。
皆さんは腰痛や肩こり、身体の疲れなどを感じたときに、どちらに通いますか?
どちらも近場にあり、サービス内容も似通っているため、どちらにいこうか迷う方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、一見あいまいに見える違いについて、明確に解説していきます。
違い①:施術目的
整骨院・接骨院とマッサージ店の大きな違いは施術の目的にあります。
簡単にいうと、前者は治療、後者はリラックス効果が目的になっています。
整骨院・接骨院は痛みや怪我の治療が目的
後ほど資格のところで詳しく解説しますが、整骨院・接骨院は身体の仕組みのスペシャリストである『柔道整復師』という国家資格を持った人が施術にあたります。
なので、身体の痛みや不調を診てもらった場合、筋肉だけでなく骨・関節・靭帯などあらゆる箇所に対し、痛みや不調の根本原因を究明し、その治療にあたります。
よく、整骨院・接骨院の治療の中にマッサージがありますが、これは正確に言うとマッサージではなく、手技治療でありれっきとした治療方法の一つなのです。
マッサージ店はリラックス効果が目的
一方マッサージ店は揉む・押す・なでる・叩くといったいわゆるマッサージで使われるような技法のみを駆使し、主に筋肉に作用して、身体の状態の改善を目指します。
従って、何らかの外傷によって治療目的でマッサージ店に行っても効果的な対処が難しい場合があります。逆を言えば、1時間ほどゆったりと心地いい時間を過ごしたいのであれば、マッサージ店は適しているとも言えます。
違い②:技術
目的が違えばもちろんそれに応じて施術者の持つ技術力やそれを保証する資格も異なります。
整骨院・接骨院は柔道整復師
柔道整復師とは日本の国家資格の一つで、日本の伝統的医療法を会得した証明でもあります。それだけでなく、医学の進歩に合わせて、資格内容もアップデートされ、今では『整形外科学』『生理学』『運動学』『解剖学』『臨床医学』といった様々な身体の仕組みに関する学問に精通している証となっています。
従って、外傷などの怪我を治すことに特化しており、首凝り・肩凝りだけでなく、骨折や脱臼、捻挫などの治療も行うことが出来ます。
もちろん、怪我の治療にあたっては、健康保険や損害保険の適用対象となります。
マッサージ店はあん摩マッサージ指圧師
マッサージ店は原則『あん摩マッサージ指圧師』という資格を持った人による施術が行われるお店を指します。『あん摩マッサージ指圧師』とは主に『衛生学』を軸として、人間の心身の健康を保全するための方法を会得した人が保持できる国家資格です。
ですので、彼らが得意としている領域は治療ではなく『癒し』です。
心身共に気持ちよくなるよう、手技によって、筋肉・神経・血行に働きかけます。
しかし、近年では『あん摩マッサージ指圧師』を持たない人がマッサージ店(リラクゼーションサロンなどを含む)を営むケースも増えているので注意が必要です。
まとめ
上記内容をまとめますとこのようになります。
◎整骨院・接骨院
・資格:柔道整復師
・技術:外傷(骨折・脱臼など)の治療及び不調の改善
・学問領域:整形外科学・生理学・運動学・解剖学・臨床医学
・保険適用:可
◎マッサージ店
・資格:あん摩マッサージ指圧師
・技術:筋肉・神経・血行の改善と癒しの提供
・学問領域:衛生学
・保険適用:不可
ですので、今度から皆さんには『身体の痛みや不調を治したいなら整骨院・接骨院へ』、一方『身体や心の疲れを癒したいならマッサージ店へ』行くようにしてみてはいかがでしょうか。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は2022/4/11です。
引き続きどうぞ宜しくお願い致します。
ふじと接骨院
院長 藤戸慎一郎